出馬にあたって

来る10月29日投票の市長選に出馬することを決意しました。

 

穂積市長1期目の船出は、これまでの新城市政の行政主導、補助金ありきの政策からの転換に大きく踏み出すものと期待していました。

 

「自治」を正面に掲げ、

「給与 20%削減は決意 の証」

「市役所をムダと隠しごとのない活動拠点に」

「既存事業の改革は、なんとなく・今まで どおりで、はダメ」

 

など、合併した新しい「新城市」の変革を予感させるものでした。

 

しかし、就任早々に、今でも市民から疑問の声が絶えない「大善寺前の道路建設」を粛々と 進め、総合計画策定では、目新しい自治(新たなる公共)を強調するものの、具体的な産業政 策が見えてきませんでした。

「新東名の新城IC開設、三遠南信自動車道の追い風を活かした 産業振興というだけでは、産業振興に結びつかない」との指摘にも耳を傾けることもなく、1 2年が過ぎようとしています。

中心市街地活性化基本計画を策定するものの、中心市街地の衰退を止める希望もなく、農 林業は高齢化が、衰退に拍車をかけています。

産業振興という視点からみれば、産業戦略無し で敵に向かっていただけの12年だったといっても言い過ぎではないでしょう。

合併の恩恵とした合併特例債も使用期限が数年後に迫り、合併特例債に期待することもで きない状況です。

 

合併後12年が経過し、高齢者人口が30%を超え、生産年齢人口は減少の 一途です。

高齢者を支えるための費用増大の上に、人口減による市税収入減が、新城市に大き な課題を突き付けています。

ただでさえ、経常収支比率 90%に迫る状況のため、余裕財源が 少なく、新たなる政策執行は困難な状況となっています。

 

穂積市長3期12年で、財政の健全化が進んだと自慢をしていますが、自主財源比率は、合併時のH17年が約47%、H27年が約44%となっており、自前の財源確保がほとんど 進んでいません。

借金が減ったとの声も聞こえてきますが、1、2期目に大型事業がなかった ため、借金をする必要が少なく、借金返済に回せたことだけと考えることができます。

自主財源比率の少なさが、今後の公共施設・インフラ整備の安定的な財源確保にも影を落 としています。

効率的な維持管理に努めるとしても、以上に述べた高齢化による支出の増加、 市税の減少に歯止めをかけなくては、消滅可能性都市の指摘から逃れることはできないでし ょう。

 

結局は、3期12年の穂積市政で自主財源を確保するための政策がうたれていなかったこ とを、現状が証明していると考えられます。

 

穂積市長に成果を問えば、「若者議会」「自治区制 度」などの自治の進展を自慢しますが、自治は目的ではなく、新城市の戦略に基づいて、将来 の安定を築くための手段としてどの様に役に立ったかで判断すべきものと考えています。

新城市の現状を変えるために必要なことは、経営基盤の安定化です。そのための産業戦略 が必要です。

 

「自治」の言葉はあっても産業戦略がなかったため、12年の歳月をしても、将 来の希望が見えていないのです。若者の働き場所も創出できなくて、若者の定住などできる はずがありません。穂積市長の出馬を受けて、肝心な経営基盤作りが12年かけてもできな いのに、次の4年で何ができるのかに対して、大きな疑問を感じています。

 

その疑問を穂積市長に投げかけ、議論を重ねてきた議員として、市民に対して責任を果た すために市長選に出馬することとしました。

 

5年後10年後に芽を出し花開くために、1期4年の種まき(戦略の構築)重要と考えてい ます。

戦略を重点3戦略に絞ります。その視点は、8年前の市長選マニュフェストの3つの大 転換に通じるものです。

最大の目的は、自主財源を増やす、高齢化による支出の抑制、若者の 定住ということです。この目的の実現で、余裕財源が生まれ、子育て・福祉・医療などの充実 のための予算が生まれるとともに、住みたい新城の魅力も生まれます。

 

重点3戦略は以下の通りです。

 

この戦略の策定、実行のために市長直属の「地域産業創出 課」を設置します。この課の予算(人件費除く)は、市長給与の半額返上分(前回のマニュフ ェストと同様に、市長給与半額、退職金の返上)も当てます。

 

戦略①「観光産業の選択と集中」

(1)長篠設楽原の戦いを中心とした戦国時代。 長篠城址整備計画の見直しと実施。市内関連資源の連携。

(2)自然景観をブランド化。活かすべき資源の明確化。 鳳来寺山、桜渕、清流豊川、乳岩峡、滝等

(3)宿泊・飲食施設の充実。 市内の経済循環の拡充

 

戦略②エネルギーの地産地消

(1)山に眠っている材のエネルギー・資源化。 木質バイオマス発電施設の検討・実施。優良な材の利用。木材加工産業の創出。 木材産業で雇用の創出

(2)市内での発電確保で、市外流出資金の取込。 太陽光発電、水力発電、風力発電など。

(3)自治体としての新電力会社への参入検討。 市内で生み出した電力を市内で活用

 

戦略③安心・安全の農業ブランドの構築

(1)安全・安心の「新城ブランド」をめざす。 有機農業の技術の普及・啓発。健康・環境にやさしいまちを発信

(2)寝たきりゼロをめざす、食生活の改善。 健康寿命日本一で、全国に魅力発信。

(3)「新城ブランド」の確立で若者農業者の増加。 選ばれるブランドが、安定した収入に。

 

以上の戦略の推進で、1期4年で経済基盤の確立を目指します。地域産業創出課が課内を 横断的に調整するとともに、地域協議会、若者議会、地域まちづくり組織などとの連携を深 めながら、効率的に戦略を構築し、実現を目指します。 併せて進めていくのは、事業の全面的な見直しです。行政がやるべきこと、行政と民間の 責任範囲を明確にすべきこと、民間に任せるべきこと、廃止すべきものを明確に仕分けし、 経費を最小に効果を最大に上げていくものとします。その中で、職員の適正化を明らかにし ていきます。この見直しにより、余裕財源も生み出していきます。

 

以上が出馬に至った経過と市長選に向けての重点ポイントです。

 

2017 年6月30日 新城市議会議員 白井倫啓

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